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資本主義と自由

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日経BPクラシックス 第1弾

 本書が出版されたのは1962年。100万部近く売れた大ベストセラーだったが、国内で書評に取り上げたのは、アメリカン・エコノミック・レビュー誌の1誌だけ。ケインズ派を中心とした経済学の主流派やメディアからは完全に黙殺された。なぜ? フリードマンが書いた内容があまりに「過激」だったからだ。
 本書第2章に、政府がやる理由がない政策が14列挙されている。●農産物の買取保証価格制度●輸入関税または輸出制限●農産物の作付面積制限や原油の生産割当てなどの産出規制●家賃統制●法定の最低賃金や価格上限●細部にわたる産業規制●連邦通信委員会によるラジオとテレビの規制●現行の社会保障制度、とくに老齢・退職年金制度●事業・職業免許制度●いわゆる公営住宅および住宅建設を奨励するための補助金制度●平時の徴兵制。「自由市場にふさわしいのは、志願兵を募って雇う方式である」●国立公園●営利目的での郵便事業の法的禁止●公有公営の有料道路

 マルクス主義が20世紀を代表する思想だとすれば、フリードマンの自由主義は21世紀の主要思想になるはずだ。多くの復刊希望に応えての画期的な新訳で、リバタリアンの真髄が手に取るように理解できる名著。

著者:ミルトン・フリードマン 訳者:村井 章子(ムライ アキコ) 発行:日経BP社  縦書き・ページ数:384 ISBN:9784822246419   [2019年2月1日第1版第13刷]

☆ジョン・スチュアート・ミル『自由論』、フリードリッヒ・ハイエク『隷従への道』と並ぶ自由主義(リバタリアニズム)三大古典の1冊。